皆さんはこの部品が何に使われているかお分かりでしょうか??
そう、これは
ゴルフクラブの柄と先をつなぐジョイントです。
セルロイドは世界で初めて開発された熱可塑性プラスチックであり、軟化温度が90度であるという事から、昔は非常に多用された樹脂でした。
現在では大企業のダイセル社も元は「大日本セルロイド」という社名でセルロイドを生産する事で会社の礎を築いてきました。
このセルロイドはニトロセルロースと樟脳などから合成され、昔は多用されたのですが、熱により発火しやすいという欠点がありました。1982年にはダイセル堺工場が大爆発を起こすという事故も重なって、 第5類危険物 として消防法の可燃性規制対象物に指定され製造、貯蔵、取扱方法が厳しく定められています。
そんなセルロイドですが、 現在でも高級万年筆や眼鏡のフレームなどに利用されており、一定層の根強いファンが消費を支えています。弊社の仲間内でも大阪で唯一セルロイドの成形加工を実施している会社があります。
令和の時代は後継者不足などで町工場大廃業時代に突入していきますが、徹底した品質管理とQCの下、安定したセルロイドの生産を続けています。
大阪ではこの1社がセルロイドの加工を辞めたら二度とセルロイドの加工場が復活することはないでしょう。伝統工法の火を消さない様、町工場の仲間で連携しながら技術をつないでいくお手伝いが出来ればと思っています。