成形トラブル

射出成形品の反り対策・反り対策用治具について

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プラスチック射出成型において避けられない悩み、ヒケ、ソリ、ヤケ等・・・

今回は反り(ソリ)対策品について記載します。

反りとは、成形品が収縮することで成形品中心部が円弧状に変形してしまう現象です。

比較的収縮の少ないPS、PMMAは発生しづらいですが、PP、PE、ABSで作成すると、形状によっては致命的な反りが発生してしまいます。

反りを止める方法としては、成形条件としては冷却時間が延長、射出保持圧時間が延長等で、成形後の対応としてはアニーリング(アニール処理)、反り防止治具を装着する事などがあげられます。

とはいえ、成形条件では限界があり、大抵アニーリングか、反り防止治具で調整することが大半です。

発想の転換 製品部品を治具として使用!

今回の例で出すのは弊社の「アルミ缶&ペットボトルつぶし」という製品です。

このように踏み板とペットボトルを挟み、足で踏むことでぺったんこにするという商品です。

この製品の黒色の本体ABS部分は成形条件では改善せず、大変苦労しました。

成形時に上部の内ぞりが酷く、上まで透明の踏板が上がらないという問題がありました。

非常に困っておりましたが、ある現場作業者の意見から改善しました。

成形すると同時に踏板を取付し、逆さにすることで踏板自身が矯正治具の役割を果たします。

逆向きのまま仮梱包を行い、完全収縮まで待って、追加工を行った後に完成品になります。

現場工夫により、ソリを止めることに成功しました。

弊社では長年の経験から培った様々な工夫や経験により、作業を行っております。

現在お困りの成形が有りましたら、是非お声がけください。

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