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材料に含まれる染料、添加剤の調達不安・価格高騰について

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OEM営業のH.Mです。
最近、プラ業界で話題になっている、染料、添加剤の調達不安についてお話しします。
最近材料が高くなってきたなぁと思う方、仕入れから材料単価の見直しについての通知が届いた方は是非読んでいただければと思います。

着色剤、添加剤の大半は海外から仕入れている!

プラスチックの鮮やかな色の着色には染料が使われますが、染料の大半は中国で作られています

その中国で、染料の企業の操業が環境規制問題の関係で停止しているという状況が続いており、調達不足が発生しております。その結果。世界的に染料が不足し、高騰しております。このまま不足が続くと、世界的な問題につながっていきます。

添加剤に関しても非常に深刻な状況になっています。

添加剤の例として、難燃剤には三酸化アンチモンが必要ですが、主な産出国は中国、ボリビア、ロシア、南アフリカで非常に手に入りにくくなってきています。特にこの記事を書いている2025年においては史上最高値を更新しています。これに関しては非常に深刻な問題で、中国の埋蔵量が無くなってきており、また経済制裁や内戦でより手に入りにくい状況が続いていることが原因です。上記理由より、今後も大きく価格が下がることはないと思われます。

↑上記が三酸化アンチモンの価格推移ですが、直近1年間で3倍以上の価格になっています。参考

対策・・・成形屋として行える環境対策として

着色剤に関しても、添加剤に関しても、どちらにしても出来る限り使用を控える、使用する場合は無駄なく使うことが必要だと思います。しかしながら、基盤周辺、配電盤のような電気が多く流れ火花が発生する部分では火事の防止で難燃剤入りの材料を使わざるを得ないという理由もあります。

成形屋としては出来る限り不良を出さず、不良を出しても粉砕を行って再利用をし、良い製品を作るようにすることが必要だと思います。ただ難燃剤を再利用すると製品色が薄い茶色になってしまい(加熱によるヤケが発生する)、白色の場合は目立つのでなかなか再利用できない・認めてくれないという問題があります・・・基盤周りの外観から見えない部分の製品でも、なかなか再利用を認める企業はありません。
社会全体がこの問題に目を向けて、ちょっと茶色の製品でも環境のためだから良いジャン!となってくれればいいなと思う成形屋でした。

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