問題解決ブログ

アンダーカットを成形するにはどんな方法がある?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

射出成型においてアンダーカット構造の金型は多くありますが、そもそものアンダーカットについてご説明します。

アンダーカットとはそのままでは成形できない形状・部分のこと

アンダーカットは成形上どうしても成形できない部分を言います。
例えば、ペットボトルの本体は射出成型機で成形することはできません。

これは、成形しても絶対金型から取り出すことができないためです。
また、ペットボトルのキャップもそのままでは成形はできますが取り出せず(取り出すことが困難)、これをアンダーカットといいます。

アンダーカットの対策としては?

①アンダーカットの対策としては、そもそもアンダーカットの形状にしないことが重要です。設計変更を行うと、アンダーカットが無くなることがあります。また、射出成型には向き不向きもあるため機械自体の選定が必要です。例えば、ペットボトルのような形状が必要な場合はブロー成型という、全く異なる成型方法を行います。

②アンダーカットの部分にスライド構造にする。これが一番多い方法で、金型を中にスライドと呼ばれるアンダーカット対策の部品を入れます。問題点としては、金型が大型化することがあります。スライド同士がぶつかる面にはパート面と呼ばれる段差が発生することが多いです。

③ペットボトルのキャップのような、ネジ山に関してはモーターラックという機構を使用します。
製品を成形する際に、金型内で硬化し取り出す際に、ネジ山部の金型部分が回転することでアンダーカット部分が無くなる方法です。スライドとモーターラックを両方とも使っている金型も多くあります。問題としては、金型にモーターがつくので別で信号や電力を取る必要があったり、費用面が高くなることがあります。上記画像はモーターラックの機構の金型です。

④小さなアンダーカットの場合、無理抜きという方法があります。これは、成形後にアンダーカットを無理やり離型させる方法で、小さい凹凸や、柔らかい材料の場合に多く使用されます。
小さいアンダーカットは無視することが可能です。

以上のような、様々な方法でアンダーカット対策を行い、プラスチックは成形されています。アンダーカットしか方法が無いかもしれないと思っても、設計変更を行うことで通常の成形にすることができる場合が多くあります。ぜひ金型作成の際はご相談下さい。

コメントを残す

*