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難燃材料の原料、三酸化アンチモンの超高騰!原因と代替材について

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難燃材料は基板ケースや電源などに使用され、出火してもすぐに自己消火作用が働き、それ以上燃え移らないようになっています。
その重要な難燃材料に含まれる三酸化アンチモンが4年ほど前からジワジワと難燃材料の価格が上がり始めています。
原因としては中国の輸出規制が大きく影響しており、4年間で約8倍まで値上がりしています。

 三酸化アンチモン価格推移表 近年の強烈な高騰が分かります。

代替材はどのようなものがあるのか?

代替材はあまり多くありません。
というのも、三酸化アンチモンの価格は長年安価で安定供給しており、材料に対し少量の添加量で難燃効果が得られるとあって、研究が進んできませんでした。
いくつか代替材を紹介します。

PC(ポリカボネート)・・・何も入れなくても、材料自体に自己消火性効果があります。高い温度でも熱変形せず、値段も安価な材料です。
問題点としては、有機溶剤や界面活性剤、アルカリ性、酸性に弱いことがあります。一定期間そのような状態に放置すると、ケミカルクラックと呼ばれる、材料が侵されることによるヒビ割れが生じてしまいます。

ホウ酸亜鉛、リン系難燃剤・・・難燃性に優れ、耐熱性、対候性にも優れています。
問題点としては、価格が高いこと、添加量が多く、もともとの物性を維持できないことなどがあります。

もともとは物価の変動にも強く、また少ない添加量で難燃効果が得られるとあって、多数の製品に使用されていました。その結果、代替材の研究も遅れ、あまり良い材料が無い状況です。今後、新しく良い材料が研究されると思いますので待つしかない状況です。

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