エラストマーの概要
エラストマー樹脂はゴムのような弾性をもった柔らかい樹脂です。
ゴムと違う点としては、ゴムは架橋(硫黄等を加えることで弾性、強度を上げること)を行うことで、高温条件で加圧されても熱変形しにくい特性を持っています。
しかしエラストマーは架橋の工程を行わず、高温において加圧すると熱変形しやすいという特徴があります。
エラストマーの設計・成形する上で押さえておきたいポイント
①柔らかいが故の特性
・多少のアンダーでも無理抜きが可能です。硬度も50度~90度の間で柔らかさがかなり変わるので、設計する際はどのくらいの硬度のグレードを使うかで、
・金型への食らいつきが大きいので、「キャビとられ」が発生しやすいです。設計の際は、抜き勾配を通常の樹脂よりも大きくとってください。またランナーもキャビとられ防止のだるまピンやZピンには通常よりもアンダー形状をきつめにしておいた方が良いでしょう。
②冷却時間が長い
また冷却の時間が他の樹脂(ポリプロピレン、ポリカーボネート)と比べて長いため、1サイクルの時間がどうしても長くなります。
プラスチックの性質をしっかり理解することで
より良い製品設計・金型の製作が可能です。