ここでは「キャビとられ」しやすい形状の樹脂製品を例に、設計段階でどうやって防いでいくかをご紹介していきます。
事例1:取手(左右対称のパターン)
これはホームセンターで買ってきたとあるバケツの取手です。
ぱっと見ると左右対称の取手なのですが、製造の工夫が凝らされた良い事例です。
ポイントその① 金型の割り面(パーティングライン)をズラす
金型の割面(パーティングライン)をキャビ側によせる事で、金型内でコア側に充填される樹脂の量を増やすことが出来ます。これによってキャビ側への食らいつきを減らすことが可能です。どこまで寄せるかは金型の構造にもよりますが、設計の段階である程度想定していると設計変更が無くスムーズです。
ポイントその②コア側の溝をやや深くする
左右対称に溝が切られているように見えますが、ノギスで計ってみると右は6mm、左は3.5mm。コア側を深くすることで(おそらく勾配もキャビ:3度、コア:1度など変えている)コア側への食らいつきを強くし、キャビとられを抑制していると考えられます。溝の深さを変える時は、材料の色味で目立つ目立たないがあるので色の選定も重要になってきます。
事例2:ミキサーのマット(軟質素材)
これは弊社の自社商品のミキサーを置く土台になるマットです。樹脂はエラストマーで硬度は60度~70度です。すべり止め性が強い反面、成形する時は金型に食らいつきます。
ポイントその③内部構造を埋めるリブは必ずコア側に
内部空間にリブを立てて設計する場合は必ずコア側になることを想定して、設計することが重要です。このリブがある事で金型が引っかかりを発生させるためです。