最近ネットで材料について調べることが多いのですが、結構間違った内容が記載されていることが多いように感じます。
今回はプラスチックの汎用材料の特徴について記載します。
PP(ポリプロピレン)
PPは成形しやすく、コストが安く、透明性にも長けており、耐薬性にも高いという非常に使用しやすい材料です。日常生活ではお弁当の箱、ブックスタンド等、日常生活の多くの物に使用されています。
弱点としては、高温に弱い点、塗料が剥がれやすい(乗りにくい)点、紫外線劣化に弱い点などが挙げられます。また、収縮も大きいため、反り等の問題も起きやすいです。
塗料が剝がれやすいと書きましたが、コロナ放電というプラスチックの表面を電気で荒らす手法を用いると表面がざらざらになり、インクが比較的しっかりと乗るようになります。
PE(ポリエチレン)
PPと似た性質を持つのがPEです。価格帯もPPとよく似ています。PPよりも柔らかく、タッパーなどに使用されます。タッパーに使用されるぐらいですので、耐薬等にも非常に強い特性を持っています。
PEの弱点は、PPよりもさらに高温に弱いです。また塗料が乗りにくい点も同じで、収縮に関してはPPよりもさらに大きいため、設計には注意が必要です。
ABS
ABSはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンの頭文字で、成形性は良く、収縮等もPPに比べると低いという特徴があります。また融解温度も高く、高温な環境でも問題ないです。
また難燃剤等も含むことができるので、基板周辺の材料にも多く使用されています。
弱点としては、溶剤にあまり強くありません。油にも弱いという弱点があり、油やグリスを多く使う製品の使用は向いておりません。
PC(ポリカーボネート)
PCはとにかく強固で、自衛隊の盾に使われていることで有名です。透明度も高く、自己消火性もあるので万が一火が移っても、勝手に火は消えます。また収縮率も低いため、製品寸法もきちんと出ます。
日常生活では眼鏡のレンズやスマホのケース、いろんな基盤のカバーに使用されることが多いです。
そんな強固なPCの弱点ですが、傷に弱いという弱点があります。眼鏡を落としてしまい、「アッ!」と思ったことのある方は多いのではないでしょうか?また、耐薬品性に弱く、コロナ禍の際に飲食店頭で間仕切りボードがよくひび割れていましたが、アルコールや酸性の溶液等で拭くとケミカルクラックを起こし、ひび割れが発生してしまいます。
標準的な材料を記載させていただきました。知らないこともあったのではないでしょうか?
弊社では営業マン一人一人がお客様に提案できるようにしております。もし成型品の材料にお困りでしたらご連絡下さい。