物を作る際、この製品はどのような材料が適切か考えます。
これをプラスチック屋では「材料選定」という言い方をします。
今回はどのような基準で判断しているのか記載したいと思います。

溶剤が付着する可能性がある→使用可 PP、PS、PE、ABS、PA
高温環境での使用を検討→使用可 ABS(特殊グレード)、PC、POM、PA
透明性が必要→使用可 PS、PP、PC
塗装が必要→使用可 PS、ABS、PC、PA
難燃性が必要→使用可 ABS、PC
耐衝撃性が必要→使用可 ABS、PC、PA、POM
油と触れることがある→使用不可 ABS
※PP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)、PE(ポリエチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカボネート)、POM(ポリアセタール)、PA(ナイロン)を示します。
Q&A 例示
Q 歯車(ギア)を作りたい。結構な回転数が有り、高温に耐えて、油まみれになる環境だが、どの材料が良いか?
A POM、PAが推奨されます。PCは油に含まれる溶剤に侵される可能性があります。
Q 携帯のタバコの吸い殻入れを作りたい。まだ火がくすぶっている状態で入れることもある。どの材料が良いか?
A ABS(難燃剤入り)、PC(難燃剤入り)が推奨されます。耐熱性があり、難燃剤を入れることが可能で比較的安い材料としては、ABSが多く使用されています。ちなみに弊社三重工場ではPCの箱を灰皿入れに使用しています。
Q PPで出来ているお弁当箱にキャラクター印刷が描いてあるけど・・・本当に塗装は乗らないの?
A 表面加工をすると乗ります。成形後、放電処理等で表面をザラザラに加工すると印刷が乗るようになります。ただ、印刷が剝がれやすかったりと問題が多い為、基本的には推奨しません。
弊社は長年の経験から様々な材料をご提案できます。
是非設計の段階から、材料選定、成形まで一貫で対応いたしますのでご連絡ください。